演色性と色ブレ

演色性と色ブレ(最近あった事例)

生産工場の移転に伴い、使用する染料も変わることは当然多い。移転後、前の工場で染色していた色をリピートするとき、一定の光源下で色を合わせても他の光源で違って見える、いわゆる演色性の問題が必ずついて回る。
その演色性を知らずにアパレル側が色合わせの要求をすると、生産している染色工場が再ビーカーを繰り返しても何時まで経っても色が合わないという問題が発生します。
色を合わせるということは同じ染料種類、同じ品番の染料を用いて行わないと基本的に演色性を無くすことが出来ない為、双方が同じライトボックスで同じ光源下で判断しあわないと判断が無理となります。
ところがそれで合したとしても、店舗や倉庫などで以前のロットを新しいロットが自然光やその場所の別の光源で見比べたとき、全く違う色味に見えることになり、これは避けられないこととして認識しないといけません。
演色性という事を仮に知っていても、生産背景の状況を知らない人から見たらすべて「色ブレが発生している」という認識になります。

それとは別で同じ染料を使用してバルク生産している際に起こるロット間の色ブレに関して上記の演色性による原因はないと認識します。一般的にこの場合は単に染色工場の色合わせが下手という事、もしくは染色工場の技術者が経験ない要因がもとで色がブレている場合がほとんどです。
しかしこの場合においてでも隠れた演色性が発生している場合があります。
例えばポリエステル素材を染色する場合、分散染料の中に蛍光発色をする染料が混入していると少しの蛍光灯の明るさの違いや外部の光源が混入して紫外線量が違ったりすると、少しの発色差が影響し全体的な色相として大きな色差を発生する場合があります。
その他、ロットブレを防ごうとしてロット毎に色目調整用の微量の別染料(基本のレシピにはない種類の染料)を指し色として使用した際にも同じく、一光源下で色合わせしても他光源での色差が発生し、結果微妙な色ブレとして目視されることがあります。

これらの改善に関してはやはり特別なレシピやその場その場の対処による色合わせではなく、一定の許容範囲を設けた中で出来るだけシンプルなレシピを安定して加工する方法を構築することが重要です。

以上、もしご興味があり詳しく知りたい方はkyitまでご相談ください。

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