品質と数値の関係 検寸編 後半
今回は、前回に引き続いて、検寸に関しての ②計測だけでは見つけられない問題 に関してです。
これは、エンドラインQCや、検品工場なんかでもありがちな話です。
下のA・Bの例を見てください。
A B
指示寸法 A B
身丈 65 65 63
肩幅 55 55 54
身幅 60 60 58
裾幅 60 60 58
採寸結果だけを見ると、Aが良く、Bがよくないように判断できます。
でも、実際は、Aは身頃が向かって左に振れています。
しかしこれは、検寸表では、見出すことができません。
それ以外にも、衿が歪んでいたりも、検寸表からは判断できないのです。
当然、平台検品で広げてみれば、判ることなのですが。
ここで大事なのは、検寸表を置き、メージャーを持ってしまうと、服全体を観察して、形態変化の観察が飛ばされがちで、採寸に入ってしまうということです。
観察する前に、検寸表に書き込むことに気が向いてしまい、全体の観察が抜けてしまい勝ちになってしまいます。
これは、日本人、中国人、フィリピン人問わずやってしまうことです。
検査結果を記載しなければならないことに気が取られて、全体を見ずに採寸をはじめ、汚れや、縫製不良の検査に入りがちです。
まず、検寸作業に入る前に、メジャーを置いて、十分な作業スペースが確保された状況で、全体観察してください。
人間の目は、結構鋭くて、例えば左右で1cm歪んでいたら、違和感を感じられます。
”あれ、なんか変だな”と思って、仕様書には記載されてない項目部分を計測しすると、歪んでいることが確認できます。
でも、メジャーを持ってしまうと、もう見えなくなってしまいます。
気持ちが計測することに奪われ、目に見えている異常を感知することが出来なくなります。
自分の目の感覚を信じても、良いかと思いますので、計測器に依存し過ぎず、先ずはご自身で見る、触る、持つなどの五感で感じてみてください。’
計測では見つけられない問題点が、見つけられるかもしれません。
あと、計測するメジャーも、長年使っていると結構ぶれている場合が有ります。
JIS規格のメジャーと、時々比較チェックをした方が、良いかと。