”誰がアパレルを殺すのか” を読んで ⑥

”誰がアパレルを殺すのか” を読んで ⑥

アパレル(アパレル卸)型SPA と 小売り型SPA

SPA : specialty store retailer of private label apparel
① 言葉でとらえると、小売業が主であり、起点である。(アメリカの場合オープンマーケットで、ブランド縛りが無い)
その小売業が、自分の店の仕入れしている商品で不満足な部分を、自社ブランドで企画・製造し埋めていく。
(アメリカが下代制・オープンマーケットであるから、その辺自由度が高く、SPAし易かったかと思うのですが)
場合によっては、その店の商品が全て、オリジナルのブランドになってしまう場合も有る。

② 一方、アパレル型SPAは、先ずブランドが有り、それを売る専門の直営店を展開していく
その売り場で展開する商品アイテムを基本的には全て、オリジナルブランドで埋めなくてはいけない。
SPAの手法を取るための目的は、中間業者を削除し、コストダウンを図ること。
直貿化もその一環であり、コスト削減が主要因。

そして
小売り型SPAで、スキップしていく中間分業機能は、”アパレル卸”である
アパレル型SPAで、スキップしていく中間分業機能は、”商社・OEMメーカー”である

この差は、結構はっきりしていますよね。

①の場合、なぜ小売りは、アパレルを必要としなくなったのでしょうか?
②の場合、なぜアパレルは、商社・OEMメーカーを飛ばしたくしなったのでしょうか?

”誰がアパレルを殺すのか” に書かれていたように、
1 大店舗規制法で売り場面積が増え、
2 テリトリー制の為、同一アパレル内で似たり寄ったりに多ブランド化に走り、
3 OEM生産に頼った結果、商品の同一化が進み、
4 価格競争になり
5 在庫処分コストが増加し
6 原価率ダウンの為、海外生産で仕掛数量を増やし、且つ人員削減で、企画に手が回らなくなり
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のルーティンが続いた?

そして、
① 似た商品ばかりで、小売りの欲しい差別化された商品が仕入れられないし、売れ残り処分のコストが含まれた上代設定なので、高すぎるから、それなら自分で企画した物を売りたい。
アパレルのOEM頼りは、自社で持っておくべきだったファンクションを、仕入れ先や外部に振った結果ですが、ODMで加速して、小売りがアパレル卸のカラクリ見えてしまい、魅力がなくなったのでしょうか?
アパレルの企画・生産管理の機能が低下して、不要論?

② 中国で作れば、何も商社通さなくても作れるし、日本語での指示も通るし、輸入業務も、乙仲や検品会社を含む流通業が殆どカバーしてくれるのに、商社マージン高過ぎで、商社を通すメリット感じられないから?
商社が持っていた、産地情報やリスク分散機能が低下し、不要論?
”チャイナ+ワン”の時、結局自分たちの手の内でなく、韓国や中国からのスピンアウト組ルートしか使えず、中国生産以外の海外で持っている情報量の少なさと、直接メーカー選別する経験が無いことが露見してしまう?

これじゃー、小売り型SPAはともかく、アパレル型SPAの構築、メチャクチャ困難に見えてきますよね。。
アパレル型SPAが、商社・OEMメーカーをスキップして、海外OEMメーカーや工場とSPA化していく一方で、自分たちアパレル卸の頭の上を、小売り型SPAがスキップしていくかもしれない話ですから。

小売り型SPAが勢いを以って市場を席巻していった2000年代は、店頭情報をスピード感をもって活用したわけですが、POSの導入をはじめ、勿論アパレル型SPAも情報化したはずです。
ただ、小売り型SPAは、消費者とのインターフェイスが起点となった生情報からの展開に対して、アパレル型SPAはアパレル雇用である販売員が、あてがわれた商品を販売するだけになりがちではないかと、推測されます。
”誰がアパレルを殺すのか” にワールドのオゾックに関する記述も有りましただ、アパレル(本社)と直営店との関係が、情報の質に影響した可能性も有るのではないかと思ったりしますが、誰かこの辺の経緯振り返ってもらえませんかね?
又、これも書かれていたことですが、売り場の販売員の待遇・扱いも、今後店頭の情報を活用すべきSPAでは、考慮されるべき点じゃないかと、私も感じました。

さらにその先には、オンラインSPA と言われているECへの急激な流れがあり、消費者とのコミュニケーショントゥールとしてSNSを使って直接的なのマーケティングの時代がすでに始まってしまっています。
勿論、既存アパレルも、マーケット参入していますが、従来型SPAでもそうであったように、数字データーだけではない、コミュニケーションからの情報を吸い上げるノウハウが無いと同じ事の繰り返しになりはしないかと??

ただ感じるのは、何れのSPAにおいても、そのブランドのテイストやマーケットによって、その時々の一定の規模が有り、その規模が大きくないと、ワールドSPAが取れた、価格施策は難しいのは当然ですし、又、低価格戦略だけでは、マーケットで支持を得れなく無くなってきていることも、事実かと思います。
ブランド設計の時点での、適正規模と、それに合ったSPA戦略、大事ですよね。
小売り型SPAのカジュアルブランドのGAPでさえも、規模での低価格戦略に行き詰ってきています。
ファッション系?エレガンス系?に比べて、カジュアル系の方が、素材・加工面において、SPAの形態が構築しやすいと思うのですが、規模で低価格戦略を打てたとしても、一定規模を超えると、店頭からの数字データーは精度が増すのかもしれませんが、数字ではない情報を活用するのが難しくなるのかと想像します。

じゃー、次にこの規模による低価格戦略とアパレル型SPAは、どうすればいいの?に関して、次回以降で考えていきたいと思います。

でも、アパレル型SPAは、直営店という、後付け?かもしれませんが、小売業を持っていますよね。
SC売り場拡大で作ってしまった直営店。
当然、売り場は縮小再編されるでしょうが、その再編の仕方に活路はないでしょうか?
その店頭をもう一度見直すことが、出来ませんか?
従来、”ブランドの商品を売る直営店” から”アパレル機能を内政化している小売り” に完全に視点、立ち位置を変えてみるとか?
小売り起点のSPAの構築に切り替えることは、出来ないでしょうか?
トップダウン的なブランドビジネスの直営店ではなく。

前にも書きましたが、日本の衣料品業界は、アパレルが強すぎて、主導権を握り過ぎたことからの弊害が、今の状況を招いた部分が有りますよね。
”誰がアパレルを殺すのか” にワールドのオゾックに関する記述も有りましただ、アパレル(本社)と直営店との関係が、情報の質に影響した可能性も有るのではないかと。

”誰がアパレルを殺すのか” には、従来のアパレル流通のやり方での明日は書かれていませんでした。
やっぱり、改善程度では難しく、改革にならなければ、現状打破できない

 

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