斜行と収縮率の制し方
丸編みニットは他のニット、経編や横編みと違い編立方向が螺旋状を描いて立体的に編み下がっていきます。
その為、縦方向の編み目と螺旋に移動する横方向の編み目は直角に交わらないので生地を開いてフラットな一枚ものの生地にした時に斜度が付きます。
その斜度を無理に矯正して仕上げると洗濯後に元に戻ろうして捻じれます。これが洗濯後の斜行。そういう状態にならないように最初から斜度をつけて仕上げると洗濯後の捻じれは無くなりますが、洗濯前の初期段階の商品の外観では生地の目が縦方向か?横方向か?どちらかが斜め向いてしまいます。これが初期斜行です。
基本的に丸編みニットで初期斜行3%以内、洗濯後の斜行も3%以内などという基準は不可能と考えた方が無難です。
その斜度は編み機の口径、フィーダー数などによって素材ごとに変わってきます。
斜行を制するには編み加工の基礎と機械の原理を勉強することが重要です。
また丸編みニットは編み立ての度目(編み密度)や染色機械の種類、加工機の種類によって生地に掛かるテンション違ってきます。その加工中のテンションを最終的に矯正して仕上げるのがファイナルセットですが、仕上げ方の違いで収縮率の調整可能な範囲や加工ロット間に安定性が変わってきます。
その為、常に生地の状態を把握できるようなデーター取りをしていかないと天然セルロース系繊維や合繊の短繊維糸を使用した生地などの収縮率を安定させることが困難です。
収縮率を制するなら経験や長年の技術も必要と言われる方もいると思いますが、経験と技術が無くてもコンスタンスなデーター取りとそのデーターを分析する力を養うことが出来れば可能で、その考え方が重要です。
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