”誰がアパレルを殺すのか” を読んで ③

”誰がアパレルを殺すのか” を読んで ③

模索をするにあたって、アパレル産業のマクロ的な部分を、もう一度整理します。

”誰がアパレルを殺すのか” の中の資料を基にして、再整理します。
(P19 と P21 の資料から)

1991年     2013年
A アパレル国内市場規模   15.3兆円    10.5兆円

B アパレルの購入単価指数    100      55

C アパレルの国内供給量     21億点    41億点

D A/B から計算した購入数量  100(とする)   125

E 1991年の需給バランスから計算した供給必要量 26億点

1991年の供給量と、購入数量のバランス(需給バランス)が良いかどうかは別ですが、それを基準とした場合、26億点で良いのが、15億点過剰供給と言うことになります。

この数字の出し方が良いのかどうか?は有りますが、取りあえずクレージーな供給過剰は、明白です。

当然、小売り・アパレルさんも気が付き手を打ち出しました。
・売り場の再構築・縮小
・ブランドの統廃合
・経費削減 (アウトソーシング・人員削減)
これが、我々生産側から見えている川下の変化です。

じゃーどうするの??

で、ここで良く耳にする方針に関して、再度検証して頂きたいのは
SPA って万能薬なの?
直貿 って本当に利益生むの?

もう一度、マクロ的な市場概況を認識して、今後縮小される売り場におけるブランド再構築のモデルを各ブランドで考えて頂いたとき、
貴社のブランドの新ビジネスモデルに、SPAは適しているのか?
直貿の形態は貴社ブランドに適しているのか?

先ず、各ブランドのビジネスモデルが、先ですよね。
マーケットにおける、ブランドの位置取り
・ターゲットゾーン/テースト (消費者)
・価格帯
・規模
・ステージ(売り場、売り方)
上記に基づいたMD方針
・時系列的展開方法 4シーズン/マンスリー/ウィークリー
・展開アイテム別点数
・仕掛数量
・供給ルート
・社内資本投下分配内容 (人材・資金・システムetc)

それに対して、供給システムサイドからも見て、SPAが適しているのか?
勿論、SPAは供給だけでなく、マーケットとの会話の重要なツールでもありますが。

海外生産が殆どである現状において、
”SPA” や ”直貿” を、念仏のように口にしても、明日は有りませんよね。
まさしく ”思考停止” 状態の業界です。

ネット上で見つけた文面

*******アパレル業界の課題解決を達成したSPAの内容とは********

SPAが導入されるまでの日本のアパレル業界では、xxxxx
自社の小売店頭の情報から消費者のニーズを正確に把握して商品の企画・開発に反映できれば、売れる商品が生まれ販売量はアップし、売れ残りが減少します。
自社で製造(管理)を行い、生産から販売までのサイクルを短縮できれば、品切れや在庫ストックも減らせます。
また、卸売業は介在させないので流通コストも削減されます。
このように、企画から製造、販売まで一貫して実施するSPAモデルの実現で、アパレル業界の課題が解決されました。

これ、ちょっと、、、、荒っぽ過ぎるお話では無いかと。。  (昔話ではなく、今年ネットにアップされていました。)
SPAモデルを実現出来る為の必要条件ぶった切り。。。
卸売業が担っていた業務部分を、誰するの
製造管理以前に、素材手当、その供給元探し、その手当に対するリスク、、、、、、
生産サイドから見れば、余りにも短絡的なコピーかと。

自社(アパレル・小売り)で、その商品・商材に対する最適な素材供給元・加工工場選択し、物流・貿易も含めたルーティングの構築をしなければならにことに、なんで関心が行かないのか?

この状態は、明らかに”思考停止”業界に対すして、更なる誤解、誤認識 に拍車をかけるとしか、私思えないのですが。。。

書かれた方、本当に、暴言申し訳ございません。

SPAが成功しているブランドも有る一方、具体的なビジネスモデルが見えていないブランドも数多あり、皆さん必死でモガイテています。
業界の多くの関係者が、煮詰まっています。

こうなってしまった原因を次回、考えたいと思います。

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